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2017年07月24日

その売主の告知事項は説明事項であるべきなのか? No.889


おかげ様です。
不動産コンサルティングマスターの村上哲也です。

ラインのパスワード二重登録のフィッシングメールがきて、わからず無邪気に「これ、せないかんの?」と妻に聞いたところ、「そう思ったところが、すでに老化現象やわ」と言われた村上です。


大原則として、不動産の売主さんは告知義務があり、不動産業者はその知り得た事実を説明する義務があります。
ですから、売主さんからの告知事項が、ちょっとヤバイことだったならば、売主さんが「これ言うと、買う人いなくなるからさぁ、言うのやめておこうぜぇ」と言ったときに、不動産業者が「そうよのぅ、お主も悪よのぅ」、って言って、事実を隠蔽することは、民法でも宅地建物取引業法でも禁じられています。

では、基準は何か?
買主さんが、「知っていたら買わなかったのにな」です。
数年前なら、自殺物件ならば、6〜8年経過すれば風化しているので大丈夫とかという見解もありましたが、あるいはミイラ化した死体があって、不動産業者が買うか、他者が借りるかしたら、もう大丈夫、みたいな話もありましたが、そんなものは、もはや通用しなくなっており、複数回転売されていても、訴訟があれば大抵は売主さんか、不動産業者が負けてしまいます。

でも、「知っていたら買わなかったのになぁ」、っていうのは、個人の主観に大層左右されてしまいますよね。
つまり、甲さんは心底嫌悪感があるのに、乙さんは大して気にしないとか。
つまり、ここのあたりの判断が非常に難しいと思います。きっといろんな事案があるでしょうし。個人の価値観もあるし。

では下記内容を0.2秒で判断してみてください。説明事項ですか?

①売主さんが水虫でカーペットを歩き回っている。
②空気感染、飛沫感染する致死性の高い病気になって当該不動産に三ヶ月居住していた。
③当該不動産内で自殺があった。
④当該不動産内で他殺があった。
⑤売主さんが隣の土地で自殺した。
⑥売主さんが離れた隣町のビルで自殺した。
⑦売主さんは経済犯で逮捕された。
⑧売主さんは単身赴任先で全国ニュースになる傷害事件を起こした。
⑨テロリストのアジトとして使われていた可能性がある。
⑩売主さんは冷蔵庫に森高千里の人形を保管していた。


いろんな事案があると思いますが、一番大切なことは、不動産業者が売主さんに、デメリットをいろんな角度の考えから説明して理解してもらうこと、また買主さんには1ミリも不安なく買う意思決定ができるように誠実に説明すること。

最後に、最高裁昭和56年4月14日判例です。賃貸物件の事案です。
以前の入居者が殺人で逮捕されて、尚且つ反社会勢力の関係者であった。
その後の入居者は、そのことを不動産業者から知らされず入居した。

これを、特段の事情がない限り説明できないとされました。
判旨は、「前科及び犯罪経歴は人の名誉、信用に直接かかわる事項であり、前科等のある者もこれをみだりに公開されないという法律上の保護に値する利益を有する。違法に他人のプライバシーを侵害することは不法行為を構成する」と。

ゆえに、不動産業者としては、売主さんから、事実を知り得たから、すぐさま目くじら立てて、「これは説明すべき事項だ!」となってはならない、ということです。

判断は、本当に難しいですね。
バランス感覚の極みです。

坂出市府中のラーメン大学さんです。 
スープではなくて、味噌汁です。
唐揚げ定食850円、唐揚げ大きめ。
昼から老夫婦が、餃子を肴にして、生ビールを、くぅぃぃぃいい〜!、ってやっじょりました。



不動産のあなた様のお悩み解決に向けてのご相談は、まずは村上までメールしてみてくださいね。

t-master@i.softbank.jp