2024年07月14日
位置指定道路の通行・掘削の承諾。 No.1,377
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おかげ様です。
不動産コンサルティングマスターの村上哲也です。
過去にも、この話題は、何回も何回も出てきました。
きっと、宅建業者と建築業者で、
現場をやっている人達は、「はいはい、あれね」と、
辟易することです。
最近また「辟易」したのと、
昨今の「所有者不明土地問題」に対して法務省と国交省が動いているので、
ちょっとだけ考えてみました。
【問題】
位置指定道路に隣接している「宅地」があります。
ただし、この「宅地」の所有者は、位置指定道路部分の所有権持分をもっていません。
【辟易すること】
「宅地」に建物を建築をするとなると、
この位置指定道路部分の土地の「掘削・通行」の承諾(位置指定道路部分の土地の所有権登記名義人)を求められます。
誰に?
一般的には、各行政の建築主事に。
数十年も前に、位置指定道路の告知を受けた道路ですと、
所有権登記名義人は他界しています。
じゃあ、相続を原因とする所有権移転登記がきっちりされているかというと、
されていない場合が多々あります。
されていないとなると、現在の法定相続人の登記名義にするとなると、
現実的に不可能な場合があります。数十人も国外や県外に在住しているとなると・・・。
じゃあ、承諾がもらえない場合に、どうなるか?というと、
建築主事は「民民の話は自己責任で」という回答です。
つまり、建築確認はOKだけど、問題が発生したら自分で解決してねと。
そもそも、その建築主事が「位置指定道路」として認定しているのにもかかわらず、
「あとは自己責任で」という回答も「はぁ?」という感じですが、ここの論点は割愛します。
【辟易することと、どうにかならんかね?】
じゃあ、位置指定道路部分の土地の所有権登記名義人の承諾をもらうとしましょう。
登記上の住所も名前も実態と合致しており、なんとか連絡が取れるかもしれないと仮定しましょう。
今日一番の論点なのですが、
この土地の所有権登記名義人が「共有」だった時、二人かもしれないし、二十人かもしれません。
「全員の承諾が必要ですか?」
たぶん、必要ですね。
たぶんというか、ほぼ確定的に。
昨今の所有者不明土地問題や、相続国庫帰属制度がある動きのなかで、
ちょっと期待はしたのですが、全員の承諾が必要であると考えます。嫌だけど。
民法の「共有」についての柔軟な解釈から、期待したのですが。
この「承諾」が、
管理行為(広義)の中の変更行為(軽微)であれば、
持分の価格の過半数でOKなわけです。
全員から承諾をもらう必要がなくなる、というわけです。
どっかに事例があるのかもしれませんが、
法務省や国交省の事例には、位置指定道路の掘削・通行の承諾については、無いんですよね。
ちなみにですが、
高松市役所の建築主事の判断では、
「全員」の承諾が必要という考えです。
「位置指定道路」って、
行政から道路の位置を指定され告示もされて、
地目が公衆用道路にて、非課税ですからね。
それをライフラインである上水道配管埋設のための道路掘削はダメよ、
とか、
通行しちゃぁダメですよ、
とは、社会一般的に通用される考えでいくと、
「おかしいよなぁ~」ってなりませんか?
ちなみにですが、「通行はダメよ」に対して「いやいや通行はOKじゃ!」という判例はありますが、「掘削」については判例がありません。どっかにあるのかもしれませんが、たぶん無いです。
ね、辟易してきませんか?
やれやれ。
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